ワーケーションに最適なパソコンとは?

ビジネス系ノマドワークならThinkPadがオススメ
ワーケーションではノマドワークをする機会が多いと思われるが、一般的にノマドワークといえば「スタバでMacBook=意識高い系」という構図を連想する人も多いだろう。
しかしビジネスコンサルタントの世界では事情がちょっと異なり、レノボの「ThinkPad」とパナソニックの「レッツノート」が人気を二分しているようだ。
MacBookはシステム開発者やクリエイターには定評があるが、ビジネスでは「エクセル」や「ワード」などのマイクロソフトオフィスがデファクト・スタンダードとなっている。
MacBookでもこれらのソフトは動作するものの、ショートカットキーを多用するならやはりWindowsOSの方が何かと都合が良い。
ビジネスコンサルにThinkPadとレッツノートが人気の理由

ThinkPadを選択するメリットについては追って詳述するが、なんといってもトラックポイントとショートカットキーのコンビネーションでもって、爆速でPCを操ることができる点がこのマシンの最大の魅力だろう。

レッツノートは今やノートパソコンでは外付けが当たり前となった光学ドライブを内蔵し、さらにVGAなどの旧式の外部接続端子を豊富に備えているため、訪問先のIT環境を選ばずにタスクを遂行できる。この局地戦における強さこそレッツノートのウリだ。
ノマドワークにThinkPadを勧める理由7つ
①マウス不要のトラックポイント
ThinkPad最大の特徴はキーボード中央にある「トラックポイント(赤いキャップ)」だ。
これはもはやThinkPadブランドの専売特許みたいなものだが、トラックポイントでディスプレイのポインターを操作することで、いちいちキーボードから手を離さずともスピーディにPCを操作できる。

特にショートカットキーを多用する人にとってはトラックポイントの効果は絶大で、ディスプレイを見つめたままの状態でひたすら作業に没頭できる。マウスを携行する必要も無くなり、電車の中でもオフィスと変わらぬペースでサクサクと仕事が捗るのも大変便利だ。
②秀逸な操作感のキーボード
トラックポイントと並んでThinkPadの良さとしてあげられることが多いのがキーボードのタッチ感の秀逸さだ。
キーのセンターから多少ずれて打ち込んでもしっかりと入力できる造りは、まるで自分自身のタイピングスキルが上達したような錯覚に陥ってしまうほど・・・。

一般的にノートPCのキーボードは「パンタグラフ式」、デスクトップPCは「メンブレン式」の構造が採用されることが多く、前者はキータッチにカチッとした節度感がある一方で、ストロークが浅いためにタイピングミスにはあまり寛容ではない。
一方の後者は深いストロークのおかげで長時間のタイピングでも疲れづらいが、グニャグニャしたキータッチとカチャカチャとノイジーな操作音がどうにもイマイチ・・・。
しかしThinkPadのキーボードは「シザーリフト式」といって、前述2タイプの良いトコ取りのような構造となっていて、もうタイピングが楽しくてしかたがなくなること請け合いだ。
③高性能なCPU
ノートPCを購入する際に、つい家電量販店の格安モデルに目がいってしまう人は少なくないだろう。しかしそういったマシンの多くは「Pentium」や「Celeron」などのチープなCPUが使われており、新品で購入しても3年も経てば動作がもっさりとしてきて、やがて頻繁にフリーズするようになる。

ThinkPadはintelの「Core-i3」以上もしくはAMDの「Ryzen3」以上のCPUが搭載されており、それがゆえにThinkPadシリーズはどれも相応の価格帯となるものの、動画編集でもしない限りビジネスユースであっても10年近くは普通に使えるだろう。
「新品のThinkPadはちょっと手が出ないなぁ~。」という人は2世代落ちの中古ThinkPadを格安で購入し、「5年くらい」と割り切ってガシガシ使い倒すといった選択もアリかも?
④ノマドワークの場所を選ばない堅牢な造り
ThinkPadの初号機は1992年に日本のIBM大和研究所で生まれた「700C」で、実は筆者が初めて所有したノートPCでもある。
IBMの開発チームは当時は高額だったノートPCをユーザーが大切に扱ってくれると期待していたが結果は逆で、以降のThinkPadの開発は堅牢さをより重視する方針に転換された。
ワーケーションにおけるノマドワークは屋外だったり、雨天だったり、移動中だったりと、ノートPCにとってはリスキーな環境での作業となることもしばしばだろう。そんな時に堅牢さを併せ持つThinkPadは安心して携行できる。
(耐震性テスト)
(防塵性テスト)
(耐衝撃テスト)
耐水テストと称して赤ワインやらコーヒーやらをThinkPadにぶちまけるレノボのスタッフ。シェフの困惑したような表情がまたなんとも・・・・。
(防水性テスト)
⑤古臭さと飽きを感じさせないデザイン
ThinkPadのデザイン上の特徴は黒いピーチスキンの筐体と、トップケースとパームレストの右下にそれぞれThinkPadのロゴが入っただけというシンプルなもの。
毎年モデルチェンジを繰り返しているにも関わらず、初代ThinkPadから基本デザインは一貫して踏襲されており、事業がIBMからレノボに引き継がれてもこの路線はブレていない。

もともとビジネスユースを前提としたマシンなので余計な意匠は不要という割り切りもあるが、ある意味では「仕事道具」として完成された普遍的なデザインということもできる。
おかげで多少古い型のマシンを使っていても周囲に対して全く引け目を感じることが無いのは、筆者のような一般庶民にとってとてもありがたいことだ。
⑥メンテナンス性とカスタマイズ性の高さ
ThinkPadにはディーラーのサービスマニュアルと見紛うような詳細な取扱説明書が機種ごとに用意されている。
たとえば筆者が愛用している「X270」では174ページもの膨大なマニュアルに「内蔵ストレージ」や「Wi-Fiモジュール」の交換手順まで記載されているのには驚いた。
さらにレノボの公式サイトでは機種ごとのパーツリストも公開されていて、これらのほとんどは1コ単位から購入できるため、やろうと思えば愛機を隅々までオーバーホールしたり、高性能パーツに交換することでカスタマイズすることも可能だ。
なおThinkPadにおいても5年前のモデルから急速にウルトラブック化(筐体の薄型化)が進み、多くのパーツが「ネジ止め式」から「接着式」に変更となってしまいカスタマイズが難しくなったのは残念なこと。


⑦中古マシンのタマ数が多い
2022年の第1四半期における世界のPCマーケットのシェア(出荷台数ベース)は、1位「レノボ(22.7%)」、2位「ヒューレット・パッカード(19.7%)」、3位「DELL(17.1%)」となっており、4位以下に「Apple」「ASUS」「Acer」がそれぞれ7%前後で拮抗しつつ続き、これらの6社で国際シェアの8割強を占める。

ゆえに中古市場においても必然的にレノボ製品のタマ数が多くなるのだが、これまで述べてきたとおり、高性能なCPU、古臭さを感じさせない普遍的なデザイン、さらにメンテナンスやカスタマイズの容易さからThinkPadの中古マシンは結構狙い目なPCだと思う。
注意点(その1)ThinkPadとThinkBookは違う


中古PC購入時の注意点として、レノボ製品には「ThinkPad」と似たような名前の「ThinkBook」というモデルがあるが、これは日本の米沢工場で生産され、レノボ社内でも「米沢品質」と称される「ThinkPad」とは性能や造りにおいて全く似て非なるモデルなので間違わないようにしたい。
(注)全てのThinkPadが米沢工場で生産されているわけではないが、海外のThinkPadの生産工場に米沢工場のスタッフが出向いて技術指導を行い、製品クオリティの均質化を図っている。
注意点(その2)2025年10月でWindows10のアプデが終了
ソフト面での注意点としては「Windows10」のアップデートが2025年10月で終了することだ。アップデートの終了後はセキュリティ上のリスクが高くなるため、少なくともビジネスユースでもってインターネットに接続することはやめた方がいい。
念のために自分のマシンのWindows10のバージョンも確認しておきたい。
2025年まで利用できるのはWindows10の中でもバージョン「21H2」だけだ。
スタートアップ画面から「設定」→「システム」→「詳細情報」を開くとOSのバージョンを確認できる。

注意点(その3)Chromebook化で使えなくなる機能あり
Windows10のアップデート終了後に、どうしても愛機をネット環境で使い続けたいのであれば「ChromeBook」化を検討するという方法もある。
「Chromebook」はGoogleが開発した「ChromeOS」で動作するノートPCで、クラウド上にあるOSやアプリを「Chromeブラウザ」を介して操作するためにPCマシンの性能にあまり依存せず、旧式のPCでもわりとスムーズに動作する。


さらにGoogleによってセキュリティ対策やOSの最新アップデートが自動的に行われるため、新型コロナ下においてChromebookは教育機関を中心に急速にシェアを拡大している(写真は実際に筆者が使っていたChromebookとデスクトップ版のChromeBOX)。
Chromebook化はUSBが1本あれば比較的簡単にできるようだが、現時点ではChromeOS対応のLTEモジュール・ドライバーが提供されていないこと、また全てのショートカットキーがWindowsOSと共有されている訳ではないことに注意が必要だ。
あなたに最適なThinkPadはどれ?
ThinkPadと一口にいっても様々なシリーズがラインナップされており、ユーザーの目的や予算に応じて適切なマシンを選ぶ必要がある。ここではざっくりとではあるが、どんなタイプがあるのかご紹介しておきたい。
Xシリーズ~ノマドワーク最強マシン


ThinkPadといえば「Xシリーズ」といっても過言ではないくらい代表的な機種で、高性能と軽量コンパクトを高次元で両立させたハイエンドなシリーズだ。
筆者も「X230」「X270」「X280」を所有しているが、A4ジャストのサイズは作業場所を選ばないので本当に重宝している。ノートPC片手にあちこち忙しく飛び回る人なら、さらなる軽量化を追求した「X-1Carbon」一択で決まりだろう。
参考モデル;X1 Carbon Gen10
CPU | intel 12thCore-i5/i7 | ディスプレイ | 14インチIPS(1920×1200) |
最大メモリ | 32GB | 内蔵カメラ | 1080p FHD |
ストレージ | 256GB~2TB | 指紋センサー | あり |
初期導入OS | Windows11 Home 64bit | LTE設定 | あり |
オフィスソフト | なし | バッテリー駆動時間 | 24.9時間 |
参考価格帯(税込) | 22~37万円くらい | 最低本体重量 | 1.12kg~ |


Xシリーズには「2in1(タブレット+キーボード)」タイプの「Yoga」バージョンもラインナップされている。また「ThinkPad30周年記念限定モデル」も発表されたので、興味のある方はぜひ公式サイトをご確認頂きたい。
Tシリーズ~内勤も外勤もオールラウンドに対応

ThinkPadシリーズの中でもビジネスユースにおいて一番の売れ筋が「Tシリーズ」で筆者も2台ほどお世話になった。
デスクトップマシン並の性能と「Xシリーズ」ほどではないがソコソコの携行性の良さをもつオールラウンドなマシンだ。
参考モデル;T14s Gen3
CPU | intel12thCore-i5/i7,AMD Ryzen5/7PRO | ディスプレイ | 14インチIPS(1920×1200) |
最大メモリ | 32GB | 内蔵カメラ | 720p HD/1080p FHD |
ストレージ | 256GB~2TB | 指紋センサー | あり |
初期導入OS | Windows11 Pro 64bit | LTE設定 | あり |
オフィスソフト | なし | バッテリー駆動時間 | 27.74時間 |
参考価格帯(税込) | 16~22万円くらい | 最低本体重量 | 1,22kg~ |
筆者は「T480s(intel Core-i5 10th)」と「T14(AMD Ryzen 7th Pro)」を使っていたことがあるが、特にRyzen搭載の「T14」はパワフルだった。なおTシリーズにはオフィスワークメインのユーザーを想定してテンキー付きの大画面(15~16インチ)モデルも用意されている。

Pシリーズ~システム開発者やクリエイターに最適

「Pシリーズ」は高速グラフィックカードや充実したポートを備え、アフターパーツのグラフィックカードを追加しなくてもデフォルトでモニター3枚を接続可能。よってシステム開発や動画編集などのクリエイティブな作業にピッタリのマシンである。
参考モデル;P14s Gen3
CPU | intel12thCore-i5/i7,AMD Ryzen5/7PRO | ディスプレイ | 14インチIPS(1920×1200) |
最大メモリ | 32GB/48GB | 内蔵カメラ | なし/720p HD/1080p FHD |
ストレージ | 256GB~2TB | 指紋センサー | あり(電源ボタンに内蔵) |
初期導入OS | Windows11 Pro/Home 64bit | LTE設定 | あり |
オフィスソフト | なし | バッテリー駆動時間 | 17時間 |
参考価格帯(税込) | 16~22万円くらい | 最低本体重量 | 1.24kg~ |
どちらかといえばオフィスでのマルチディスプレイ作業を想定しているためか、本体の軽量化やバッテリーのもちは「Xシリーズ」や「Tシリーズ」に比べるとイマイチな感は否めないようだ。
なお「Pシリーズ」にも「Tシリーズ」同様に15~16インチの大画面にテンキーを備えた大型モデルのラインナップがある。

Eシリーズ~コスパ重視のスモールビジネス向け

「Eシリーズ」はコスパ重視のマシンで、性能や携行性はソコソコに、ThinkPadのメリットをリーズナブルに享受したいという人にピッタリだ。よってレノボが想定している「Eシリーズ」のターゲットもスモールビジネスのユーザーが中心となっている。
参考モデル;E14 Gen4
CPU | intel12thCore-i3/i5/i7,AMD Ryzen3/5/7 | ディスプレイ | 14インチIPS(1920×1200) |
最大メモリ | 40GB | 内蔵カメラ | 720p HD/1080p FHD |
ストレージ | 256GB~1TB | 指紋センサー | あり(オプション) |
初期導入OS | Windows11 Pro 64bit | LTE設定 | なし |
オフィスソフト | なし | バッテリー駆動時間 | 16.7時間 |
参考価格帯(税込) | 16~20万円くらい | 最低本体重量 | 1.64kg~ |
スモールビジネスの多様性を考慮してか「Eシリーズ」は他のシリーズに比べるとCPUの選択肢が広く設けられている。なお軽量さやバッテリーもちはあまり重視されていないようだ。
Lシリーズ~環境に配慮したエコロジーなマシン

エコロジーブームの昨今において、低電力消費でリサイクル素材由来のパーツを多く採用した環境にやさしいマシンが「Lシリーズ」。「SDGs」の17のゴールに「つくる責任・つかう責任」が掲げられているように、PCメーカーにおいても作りっぱなしで終わらない企業姿勢がさらに問われてゆくだろう。
参考モデル;L14 Gen4
CPU | intel12thCore-i3/i5/i7,AMD Ryzen3/5/7Pro | ディスプレイ | 14インチIPS(1920×1200) |
最大メモリ | 64GB | 内蔵カメラ | 720p HD/1080p FHD |
ストレージ | 256GB~1TB | 指紋センサー | あり(オプション) |
初期導入OS | Windows11 Pro 64bit | LTE設定 | あり |
オフィスソフト | なし | バッテリー駆動時間 | 15.6時間 |
参考価格帯(税込) | 15~20万円くらい | 最低本体重量 | 1.39kg~ |
「Lシリーズ」にも「Xシリーズ」同様に「Yoga(2in1)バージョン」がラインナップされている。
製品のポジショニングとしてはXシリーズのエコロジー版か、ESG時代の”ポスト"Xシリーズといったところか・・・。

その他ThinkPadの変わりダネ
Zシリーズ

「Zシリーズ」はThinkPadにおいては最後発のカテゴリーであり、再生アルミニウムや竹およびサトウキビ由来の繊維を使い、前述の「Lシリーズ」よりもさらにエコロジーに踏み込みつつ、高性能とデザイン性を追求した意欲作となっている。今後の売れ行きに注目。
Cシリーズ

「Cシリーズ」の”C”は「Chromebook」の頭文字であり、要するに「Chromebook」の「ThinkPadバージョン」だ。ThinkPadシリーズの中で唯一「ChromeOS」を採用するシリーズでGoogle信者としては興味津々。アビスブルーのアルミニウム筐体がクール。
参考サイト
ThinkPadを使い倒す
操作編
後付のキーボードを使う

ThinkPad関連のガジェットとしてキーボード単体の「ThinkPadキーボードⅡ」が販売されている。これによってデスクトップPCであってもThinkPadの秀逸なキーボードのタッチとトラックポイントの恩恵にあずかることができる。
たとえば外勤はノートPC、内勤に戻ってデスクトップPCにスイッチしたら、キーボードの配列や操作感が変わって仕事の調子が狂う・・なんてこともなくなるだろう。
いつでもどこでもThinkPadキーボードの操作感をシームレスにキープできる「ThinkPadキーボードⅡ」は便利だ。
最近はノートPCが高性能し、オフィスでもデスクトップとして使うケースも増えているようだがここでも後付キーボードは活躍する。
猛暑日はCPUが放散する熱気がキーの隙間から立ち昇ってきて汗で指先がべとつくことがあるが、後付キーボードならそんな不快さを感じることなくタイピングできるのだ。

なお筆者の「X270」「X280」のキーボードは「ThinkPadキーボードⅡ」よりも若干キーのピッチが狭いので完全にシームレスとはいかない。
また「X270」はキーストロークも若干浅いので、タイピングの感触も「ThinkPadキーボードⅡ」や「X280」に比べるとカチャカチャとしたプラスティッキーな印象は否めない。

(写真左側が筆者のX280、右側がThinkPadキーボードⅡ。前者の基本ポジションの方が狭くなる)
「T14」などの14インチモデルなら同じキーピッチで、さらにGen2以降のモデルであればタイピング時のタッチ感もより外付けキーボードに近いものとなるはず。ThinkPad選びの際にはその点も考慮すればカンペキだろう。
ノートPCをデスクトップとして使う

ノートPCをデスクトップ化する方法は2つある。ひとつはノートPCをブックスタンドに立てて、本体のディスプレイを活用するスタイル。写真は12.5インチ画面だが、TシリーズやPシリーズの15インチモデルだとかなり見やすい。

こちらはノートPCを完全に閉じて、大型のディスプレイを2枚接続して使う方法。老眼が入ってくると12.5インチ画面を離して使うのはちとキツイ。大画面に安堵感を覚えるのは私だけではないだろう(笑)。
ノートPCのカバーを閉じると電源がスリープ状態になってしまう。この場合は「スタートメニュー」→「設定」→「電源とスリープ」→「電源の追加設定」→「カバーを閉じた時の動作の選択」→「電源に接続」を”何もしない”に選択すると電源が落ちない。

高性能ノートはクーリング対策もしっかりと!


高性能CPUは発熱量が大きいので、マシンが「熱暴走」しないようにクーリングには気を遣おう。オフィスでは「PCクーラー」、出先では簡易スタンド(ダイソーで売っているものを愛用)を使って、ケース内からスムーズに放熱できるように工夫したい。
ショートカットキーを活用する



トラックポイントの機能を最大限に活かすにはショートカットキーのマスターは必須。慣れるまではトレーニングを要するが、トラックポイント&ショートカットキーを駆使できるようになると作業スピードが「爆速モード」に突入する。
とりあえずオススメは上記の3冊だが、まず左2冊(Excel、Outlook)の基本的なショートカットキーを覚えるだけで、作業能率が激変するだろう。
もはやおもむろにマウスに右手を伸ばしてカチカチ・・・なんて、かったるくてやってられなくなること間違いなし。
タッチタイピングを極める
トラックポイントの機能を最大限に発揮するために「ショートカットキー」とあわせて「タッチタイピング」のスキルも高めたい。手元を確認することなく画面に集中して作業できるようになることでさらに仕事の能率が劇的に改善する。
タイピングの練習にオススメなのが「インターネットでタイピング練習e-typing」だ。TPOに応じた多彩な文章パターンでタイピングのトレーニングができるすぐれものだが、まずは「ビジネス」と「長文」だけで十分。
毎日、始業前の15分間をタッチタイピングのトレーニングに充てて、「Sランク」を連発できるまで、最低でも1年間は続けよう。来年の今頃には見違えるほどにタイピングスキルが上達しているはずだ。
これからのビジネスに必須なテキストコミュニケーション・スキルの話
テレワークでは「非対面型コミュニケーション」すなわちメールやチャットなどの”テキスト”ベースでのコミュニケーションが主体となってゆく。
相手と時間や場所を同期させずとも情報の伝達や集約が可能な「テキストコミュニケーション」は、従来の対面や電話でのやりとりに比べて仕事の効率が格段に良くなるのだ。

メールをメンバーに転送してチーム内で情報共有したり、そのままタスクリストに落とし込むことができるなど、テキストコミュニケーションには仕事の生産性カイゼンにつながるメリットが極めて大きいことが認識されつつあるので、タッチタイピングのスキルがあるとビジネスにおいて大きなアドバンテージとなることは間違いない。
”テレワークが嫌い”という人に共通していること
なお”テレワーク嫌い”の人には「文章でのやりとりが苦手」というケースが多いようだ。
この「苦手」の要因には大きく2つあって、ひとつは「文章力が弱い」こと、そしてもうひとつは「タイピングが苦手」だということだ。
後者についてはトレーニング次第でいくらでも克服できるので、先に申し上げたとおり毎日タッチタイピングの練習に励むしかない。だが前者についてはテレワークだの、オフィスワークだのといった「就業場所」以前の問題である。
ビジネスにおいては「文章力」と「思考力」は概ね同義であり、そして「テキストコミュニケーションスキル」とは、物事を論理的に体系立てて考え、適切な相手に対し、分かり易い表現でもって、タイムリーに伝達するスキルだ。
よって文章力が弱いという人はそもそも「ビジネスの基礎能力」が全く足りていないということになる。

こういった人は仕事の基本動作から根本的に見直す必要があるのではないだろうか・・・。
メンテナンス編
トラックポイントが重たい時は


ThinkPadに関する検索キーワードで多いのが「トラックポイントが重たくて操作しずらい・・・」といった悩み。これは「スタートメニュー」→「設定」→「デバイス」→「マウス」→「その他マウスオプション」→「ThinkPad」タブからトラックポイントの動作を”最速”にすれば解消できる。
この場合には「ThinkPadキーボードⅡ」の設定も「外付けキーボード」タブを開いてポインタの速度を”最速”にしておこう。ちなみに筆者は誤作動防止のためにタッチパッドはOFFだ。
なお設定変更だけではトラックポイントの動作が改善しないこともある。
そんな時は赤キャップの裏に小さくちぎったティッシュを詰めるという裏技(力技?)もある。要するに物理的にトラックポイントの”力点”を高くするのだ。
ただしカバーを閉じた時に赤キャップが画面に干渉して液晶を破損させないように細心の注意を払いつつ、あくまでも自己責任でもってトライして頂きたい。
赤キャップが摩耗したら


トラックポイントの赤キャップはゴム製なので、摩耗したり経年劣化によって硬化してだんだんと使いづらくなるが、そんな時はさっさと交換してしまおう。赤キャップはレノボ公式サイトやアマゾンなどを通して数百円で購入できる。
ちなみに赤キャップには「クラシック」や「ロープロファイル」など、形状やサイズによっていくつかのバリエーションが用意されている。わずか1ミリ前後の違いだが、トラックポイントの操作感に結構影響する(機種によってキャップ裏の穴のサイズが異なるので注意)。
中古マシンをリフレッシュする


古いThinkPadはネジを外すと簡単に分解できる。レノボ公式のパーツリストもしっかりと用意されているので、多少ボロい中古マシンであっても、AliExpressからアフターパーツを取り揃えることで、格安でもって新品に近い外観にリフレッシュ可能だ。
近く以前に行った「X230」と「X270」のリビルト記事のリンクを本投稿の最後に貼り付けておくので、時間がある方はぜひ参考にしていただければと思う。
カスタマイズ
アフターパーツで魔改造する


中古のタマ数が多いThinkPadとはいえ、希望のスペックや仕様のマシンを値頃な価格でゲットすることは案外難しい・・・。そこで思い切ってカスタマイズしてみたらどうだろうか?。
筆者の「X270」は2年前に5万円で購入した中古マシンだが、メモリを16GBに増設し、LTEモジュールとWWANアンテナを設置し、TN液晶をIPSに交換してFHD化、さらにキーボードやらトップケースやらの外装を総とっかえしてほぼ新品同様に生まれ変わった。
カスタマイズ費用もほとんどAliExpressで部品を調達したのでトータルで2~3万円程度で収まって大満足。この記事も近々アップできたらと思っているので乞うご期待。
古いThinkPadの電源アダプタを再利用する
最近は出社と在宅が半々のハイブリッドワークという働き方も増えている。ところで自宅と職場を行ったり来たりしていると、「うっかり電源アダプターを職場(もしくは自宅)に忘れてきてしまった!」という状況に陥ることがある。
そんな時にオススメなのが古い電源アダプターの活用だ。これはカスタマイズではないが、少し前の世代のThinkPadで採用されていた丸形や角型の電源アダプターをちょっとした追加パーツでもって再利用するのだ。



最近はUSB-C端子が主流となり、新型マシンに買い替えた後に旧い電源アダプターの使い道がなくて、部屋の隅に放置されている、という人は多いだろう。
そこで「タイプCコンバーター」の出番。旧い電源アダプターに継ぎ足すだけでUSB-Cアダプターとして再利用できるようになる。小型軽量なのでカバンの中に常備すると何かと便利だ。
ちなみに5年くらい前のThinkPadからUSB-C端子が装備されるようになったが、初期のUSB-C搭載モデルは「PD給電(Power Delivery規格)」には対応していない。
たとえば筆者の「X270」と「X280」にはどちらもUSB-Cポートがあるが、「X270」はあくまでもマルチディスプレイ接続用の端子であり、PD給電できるのは「X280」以降のマシンになるので注意されたし。
ThinkPadのまとめ

ThinkPadが初めて市場にリリースされてから30周年となった。思えば私が初めて手に入れたノートPCこそ初代ThinkPadの700Cであり、いったんChromebookに走った時期もあったものの、X230でThinkPadに回帰して以来、T480s、T14、X270、X280とThinkPadを愛用している。
ThinkPadの魅力はすでに散々述べてきたとおりだが、コンパクトかつ高性能でシックなデザイン、そして極めて生産性の高い仕事の環境をもたらしてくれるという点で、未だThinkPadに勝るデバイスは見たことがない。
なお当社ではGoogleWorkspace(Googleのオフィスソフト)をプラットフォームとして会社組織を運用しているが、個人的にはミドルスペックのThinkPadとGoogleWorkspaceの組み合わせが我々のようなスモールビジネスには最適なのではないかと思っている。
ワーケーションにおいてはどのようなデバイスを相棒にするかによって出先での仕事の生産性が大きく左右されるだろう。今後は 札幌のワーケーションスポットの紹介と併せて、こういったガジェット記事も時々配信してゆきたい。
すっかり長文となってしまいましたが、最後まで読んでくださりありがとうございました。