
e-Gov以外の電子申請ツール
当社の電子申請特設サイトでは、e-Govや社会保険届出書作成プログラムの利用方法などをひととおり解説してきましたが、e-Govや社会保険届出書作成プログラム以外にも、労働条件や安全衛生、労働保険に関する電子申請サイトがあるのをご存知でしたでしょうか?
労働局・労働基準監督署への申請・届出はオンラインをご活用ください(厚生労働省)
このようなサイトに収載されている届出は、e-Govの電子申請サイトにジャンプするようになっています。つまり厚生労働省の電子申請特設サイトは、各種申請・届出の電子化を推進するために、e-Govに誘導するポータル(入口)としての役割を担っているのです。
そこで本記事では、e-Govや社会保険届出書作成プログラム以外の電子申請システムのうち、代表的なものをいくつか紹介します。これらのシステムは、e-Govやg-BizIDを全く介さずに操作するものもあれば、e-Govやg-BizIDと組み合わせて使用するものもあります。
外国人雇用状況届出システム
外国人雇用状況報告とは?
労働施策総合推進法では外国人を雇用する事業主に外国人雇用状況報告を義務付けています。新たに外国人を雇用したり、雇用している外国人が離職した場合に電子申請で届出しますが、雇用した外国人が雇用保険に加入するか否かで、使用する電子申請ツールが変わります。
外国人雇用状況報告の電子申請
外国人労働者が雇用保険に加入する場合→「e-Gov」
- 雇用時;雇用保険被保険者資格取得届(雇用した日の翌月10日まで)
- 離職時;雇用保険被保険者資格喪失届(離職日の翌日から10日以内)
外国人労働者が雇用保険に加入しない場合→「外国人雇用状況届出システム」
- 雇用時;外国人雇用状況届出書(雇用した日の翌月末日まで)
- 離職時;外国人雇用状況届出書(離職した日の翌月末日まで)
「外国人雇用状況届出システム」は、ハローワークインターネットサービス内に設置されており、同システムの利用には専用のアカウントを開設する必要があります。なおg-BizIDでは外国人雇用状況届出システムを利用できませんのでご注意ください。
障害者雇用納付金電子申告申請システム
障害者雇用納付金とは?
障害者雇用納付金とは、障害者雇用促進法にもとづき、障害者雇用に伴う事業主の経済的負担を調整して、障害者の雇用促進と職業安定を図るための制度です。障害者の法定雇用数が未達の事業主から納付金を徴収し、法定雇用数を超過した事業主に調整金を給付します。
障害者雇用納付金制度の概要(高齢・障害・求職者雇用支援機構)
障害者雇用納付金の申告義務と納付額
- 常時雇用している労働者数が100人以上である
- 法定雇用率(R6年4月~2.5%)にもとづく障害者雇用数を下回っている
- 納付金の額=不足雇用数×不足月数×50,000円
- 申告期限~5月15日迄(未申告は追徴金が科される)
障害者雇用調整金の申請資格と給付額
- 常時雇用している労働者数が100人以上である
- 法定雇用率(R6年4月~2.5%)にもとづく障害者雇用数を上回っている
- 調整金の額=超過雇用数×超過月数×23,000円
- 申請期限~5月15日迄(未申請は請求権が失効する)
障害者雇用納付金・調整金の電子申請
障害者雇用納付金もしくは障害者雇用調整金の電子申請は、高齢・障害・求職者雇用支援機構のサイトにある「障害者雇用納付金 電子申告申請システム」から行います。本システムを利用するためには専用アカウントを開設する必要があります(g-BizID不可)。
なお障害者雇用納付金・雇用調整金制度と、雇用保険法に定める障害者雇用状況報告は全く別の制度です。障害者雇用状況報告は、毎年6/15までに、所轄の公共職業安定所に届出(e-Govで電子申請可)するものなので、混同しないように注意しましょう。
雇用関係助成金ポータル
雇用関係助成金とは?
雇用関係助成金は、事業者が労働者の雇用安定、能力開発、職場環境改善、働き方改革などに取り組み、より良い労働環境を築くことを奨励し、社会全体の雇用情勢の改善に貢献することを目的として、一定条件に該当する労働者に対して給付されるものです。
- 労働者の雇用安定~雇用調整助成金
- 職場環境の改善~人材確保等支援助成金
- 働き方改革の推進~両立支援等助成金
- 従業員の能力開発~人材開発支援助成金
雇用関係助成金ポータル 電子申請をいつでも、簡単に(厚生労働省)
雇用関係助成金の電子申請
雇用関係助成金は厚生労働省の「雇用関係助成金ポータルサイト」から電子申請できます。一方でe-Govから電子申請できる雇用関係助成金も少なくありません。また雇用”調整”助成金については、後述のミラサポplusにも収載されています(電子申請はe-Govから行います)。
雇用関係助成金ポータル利用の主な流れ
- 助成金を探す
- 計画届を電子申請する
- 計画届の審査結果を確認する
- 助成金支給を電子申請する
- 支給申請の審査結果を確認する
雇用関係助成金ポータルサイトはg-BizID(プライムかメンバーに限る)でログインできます。なお助成金の種類によっては、電子証明書の添付が必要なものもあり、もし事業所が電子証明書を取得していない場合は、事前に助成金の申請要領を確認しておきましょう。
雇用関係助成金ポータル電子申請マニュアル(厚生労働省職業安定局)
補助金活用ポータルミラサポplus
補助金と助成金のちがい
助成金は主に労働者に対して給付されるものですが、補助金は事業者が新規事業分野に進出したり、生産性向上のために設備投資をしたりした場合に支給されるものです。そして「補助金活用ポータル ミラサポplus」は、経済産業省が運営する補助金の総合サイトです。
ミラサポplusに収載されている補助金は、たとえばIT導入補助金や事業承継・M&A補助金、新規事業進出補助金など、事業運営に関するものがほとんどです。一方で前述の雇用調整助成金や業務改善補助金といった人事に関するものも、いくつか収載されています。
ミラサポplusのつかいかた
これまで紹介してきた電子申請ツールと違って、ミラサポplus自体には電子申請機能は実装されていません。ミラサポplusはあくまでも自社で利用可能な補助金や助成金を探したり、計画届を作成するための財務情報やBIレポートなどを取得するために活用するものです。
ミラサポplusはe-Govなどと連携しており、ミラサポplusで検索した補助金等は連携先の電子申請システムから届出・申請します。なおg-BizID(プライム、メンバーに限る)で利用する場合は、ミラサポplusで作成した計画書を、連携先の電子申請システムにインポートできます。
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