
社会保険届出書作成プログラムとはどんなツールか?
社会保険届出書作成プログラムは連記式フォーマット

e-Gov電子申請はデジタル庁の電子申請ツールですが、日本年金機構も「社会保険届出書作成プログラム」という電子申請ツールを提供しています。e-Gov電子申請との違いは、社会保険届出書作成プログラムは、複数の従業員の届出を連記式でまとめて実施できる点です。
e-Gov電子申請は単記式でも連記式でも届出できます。ただしe-Gov電子申請で作成できるのは単記式の届出のみです。連記式で届出を行う場合は、社会保険届出書作成プログラムや市販の人事管理システムで作成した連記式データをCSVファイルで添付してから送信します。
おすすめの社会保険届出書作成プログラムの利用方法

実は社会保険届出書作成プログラムにも届出データを送信したり、処理状況を確認したりできる機能が実装されています。ただし社会保険や労働保険のみならず、労働法令に関する届出まで網羅されているe-Gov電子申請とは違い、社会保険届出書作成プログラムは限定的です。
社会保険届出書作成プログラムに収載されている届出
社会保険関係
- 被保険者資格取得届
- 被保険者資格喪失届
- 扶養者異動届
- 算定基礎届
- 月額変更届
- 賞与支払届
- 国民年金第3号被保険者関係届
雇用保険関係
- 被保険者資格取得届
- 被保険者資格喪失届
- 被保険者転勤届
- 個人番号登録届
また届出データの送信と処理状況の確認、公文書のダウンロードなどの作業をe-Gov電子申請と社会保険届出書作成プログラムでそれぞれ行うことは事務効率が良いとはいえません。e-GovのようなGビズIDプライムやメンバー間でのシームレスな作業連携も困難です。
これらの理由により、当事務所では、社会保険届出書作成プログラムはあくまでも「連記式CSVファイル作成ツール」としての利用に留め、届出データの送信や処理状況の確認、公文書のダウンロード等の作業は全てe-Gov電子申請で実施することを推奨しています。
社会保険届出書作成プログラムの導入と操作方法
社会保険届出書作成プログラムのインストール

社会保険届出書作成プログラムは日本年金機構のホームページから無料でダウンロードできます。なお社会保険届出書作成プログラムは本記事の投稿時点ではWindows OSのみ対応しているようです。またCSVファイルを作成するだけであればGビズIDプライムは不要です。
電子申請/電子送付ガイドブックを活用する
社会保険届出書作成プログラムの操作方法は、日本年金機構がリリースしている「電子申請/電子送付ガイドブック」の中で図表を交えつつ詳細に解説されています。
ただし本書はGビズIDプライムの取得方法や地方公共団体の電子申請の導入方法まで幅広く収載されているため、民間の中小事業者にはボリュームがありすぎます。
そこで本サイトでは、社会保険届出書作成プログラムで連記式CSVファイルを作成し、e-Gov電子申請から届出を行う場合に限定し、本書の該当ページをご紹介していきます。
社会保険届出書作成プログラムでCSVファイルを作る
当事務所の推奨は「C」

電子申請/電子送付ガイドブックは、ユーザーのニーズに合わせ、3パターンの電子申請の方法を提示しています。当事務所が推奨するのは社会保険届出書作成プログラムで連記式CSVファイルを作成し、e-Gov電子申請から送信する方法で、上図の「C」に該当します。

GビズIDはe-Gov電子申請を利用するために必要です。GビズIDプライムもしくはGビズIDメンバーでe-Gov電子申請を利用する場合は、電子証明書の添付を省略できる場合がほとんどです。なお「C」の場合は社会保険届出書作成プログラムの利用にGビズIDは不要です。
管理情報を登録する

社会保険届出書作成プログラムの管理情報を登録します。社会保険届出書作成プログラムのアイコンをクリックし、起動メニューが表示されたら、「届出の作成」を選択します。

社会保険届出書作成プログラムのメニュー画面の「初期情報を設定する」グループの「管理情報登録」を選択します。

「管理情報登録」のダイアログボックスに、自社情報を入力します。具体的な操作方法は、電子申請/電子送付ガイドブックのP-32をご確認ください。
届出データを作成する

管理情報の登録が完了したら、「届出を編集する」グループの中の「最初から」を選択して、連記式の届出データを作成します。

連記式の届出データの作成画面です。入力フィールド上側の複数のタブから、必要な届出を選びます。詳細は電子申請/電子送付ガイドブックのP-35~P-38をご確認ください。
届出データの送信はe-Govで行う

作成したCSVファイルはe-Gov電子申請から送信します。e-Gov電子申請で該当する手続を検索し、社会保険届出書作成プログラムで作成した総括データをe-Gov電子申請のフォーマットに入力し、届出データは添付ファイルとして所轄の官公署に提出します。
社会保険届出書作成プログラムの総括データ作成方法は、電子申請/電子送付ガイドブックのP-38をご確認ください。またe-Gov電子申請に総括データを入力し、CSVファイルを添付して提出する方法は、同ガイドブックのP-55~P-58でも詳細に解説しています。
電子送付を活用して被保険者データを一括入力する

電子送付とは、日本年金機構から自社の被保険者データや社会保険料の納付情報などを取得できるサービスです。電子送付から取得した被保険者データは、社会保険届出書作成プログラムに転送できるため、従業員が多い事業所では入力の手間が省けます。
電子送付の利用は、e-Gov電子申請の画面から行います。またGビズIDプライムを取得している場合は、電子申請の利用開始に必要な電子証明書を省略することができます。詳細は次の動画と電子申請電子送付ガイドブックのP-68~P-88をご確認ください。
RWC合同会社/RWC社労士事務所のサービスを詳しく知りたい

🍀無料カウンセリングを受ける🍀
悩んだらまずはお気軽にお問い合わせください。