
強化された賃上げ促進税制のメリット
令和6年度の税制改正により、賃上げ促進税制が大幅に強化されました。この制度は、青色申告法人が全従業員に対して規定の要件以上の賃上げを実施した場合、賃上げ率に応じて法人税から一定割合の税額控除を受けられるものです。
今回の改正では、賃上げに加えて教育訓練などの人材投資を行うことで得られる税額控除の加算要件に、「くるみん認定」と「えるぼし認定」が新たに追加されました。これにより、中小企業では最大45%もの税額控除を受けることが可能になりました。
本制度の目的は、物価高に負けない構造的・持続的な賃上げの拡充と、教育訓練を通じた人材投資の促進です。令和6年度の改正では、子育てと仕事の両立支援、女性活躍支援にも政策的に踏み込む形となっています。
10月に教育訓練休暇給付金が新設されます
労働行政においても、令和7年10月から教育訓練促進のための制度改正が予定されています。雇用保険の教育訓練給付金の支給率引き上げに加え、教育訓練休暇給付金制度が新設されます。
従来は建設機械の運転免許取得や看護師・介護士などの資格取得を目指す場合、無給での長期休暇や退職を余儀なくされていました。しかし今秋以降は、休暇中に従前の賃金の一部が雇用保険から給付されるため、教育訓練受講中の経済的不安が軽減されます。
また、教育訓練を受講するために休暇取得や時短勤務をしている従業員に対し、事業主が賃金を保証した場合に給付される人材開発支援助成金も引き続き利用可能です。この助成金も令和7年4月に制度見直しが行われ、助成額が一律に引き上げられています。
令和7年4月から人材開発支援助成金が利用しやすくなりました(厚生労働省)
くるみん認定とえるぼし認定で税額控除
くるみん認定は、次世代育成支援対策推進法に基づき、子育てサポート企業として厚生労働大臣が認定する制度です。トライくるみん認定、くるみん認定、プラチナくるみん認定の3種類があり、賃上げ税制の対象となるのはくるみん認定とプラチナくるみん認定です。認定取得経費の一部についてはこども家庭庁の助成金を利用できる見通しです。
えるぼし認定は、女性活躍推進法に基づき、女性活躍の取り組みが優良な企業を厚生労働大臣が認定する制度です。一つ星から三つ星までの3段階と、上位認定のプラチナえるぼしがあります。なお、えるぼし認定取得のための助成金は現時点で再開予定が確認できていません。
デジタル技術導入補助金も併用できます
北海道の中小企業を対象とした「デジタル技術導入補助金2025」には、通常枠と賃上げ枠があります。対象となるデジタル技術には生産・製造関連技術だけでなく、人事DXも含まれます。勤怠管理や賃金計算、人事評価などの人事システム導入も補助対象となります。
賃上げ税制や補助金の賃上げ枠要件を満たしているかの検証には、給与計算システムが不可欠です。また、各種助成金の活用には煩雑な勤怠管理が必要となります。これらを効率的に進めるため、デジタル技術導入補助金も活用した人事制度改革をお勧めします。
人事制度のアプデは専門家におまかせください
なお賃金制度を見直す場合は、人件費予算や賃金に関する法令なども加味して慎重に行わねばなりません。また助成金や補助金の申請には専門知識と膨大な作業が発生します。現実問題として、一般の方々が一気通貫で完遂することはほぼ不可能と言わざるを得ません。
さらに中小の小売業者であれば、本業の販売活動に支障をきたす恐れもあります。そこで私達専門家のサポートをぜひご検討ください。専門家のサポートを受けることで、確実に人事制度を再設計し、賃上げを通じて従業員満足度を高め、企業の成長を促進することができます。
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