電子申請相談2年目を迎えて
代表の山口です。お陰様で2026年4月より北海道労働局の雇用保険電子申請アドバイザー2期目を迎えることができました。まずはこの場をお借りして北海道労働局およびハローワーク札幌東の皆様には、日頃のご厚誼に対し心よりの感謝と御礼を申し上げたいと思います。
さて、重任されてすでに3ヶ月経過したところですが、昨年に比べて来所のご相談が激減した印象を受けます。その分、電子申請が普及しているのであれば喜ばしいのですが、担当課長の話によると、郵送での届出比率が依然として高いのだとか…(これは頑張らねば!)。
いまだ電子申請に移行していない3割の事業者様に、どうやって電子申請のメリットをお伝えし、移行を促してゆくのか「ここが電子申請アドバイザーの腕の見せどころ!」といった感じですが、まずはオウンドメディアで地道に啓発してゆくしかありませんね…。
相談事例のFAQ(2025年度)
さて、本記事では2025年に承ったおよそ60件のご相談の中から、特に多かったものをQ&A方式でまとめてご紹介します。電子申請を実施していない事業者様も、ぜひ本記事のFAQをご参考に、電子申請の導入について前向きにご検討頂ければ幸いです。
電子申請を導入したいのですが、何から手をつければ良いですか?
まずは電子申請に共通の認証アカウントである「g-BizIDプライム」の取得をおすすめします。その後、行政手続きの総合窓口である「e-Gov電子申請」の環境設定を行い、自社に最適な連携ツール(社会保険届出書作成プログラム、または民間の人事管理ソフト等)の組み合わせを検討していきましょう。
「GビズIDプライム」と「GビズIDメンバー」の違いがよくわかりません。またこれらの運用上の注意点はありますか?
プライムは法人代表者が保有する親アカウントです。メンバーは事務員に電子申請を代行させるために払い出す子アカウントで、担当者に応じ2段階の権限設定が可能です。なお社労士資格の無い業者が経営者のGビズIDプライムを借りて申請代行を請け負う事例がありますが、これは犯罪ですのでご注意下さい。
社会保険届出書作成プログラムの中に、雇用保険の「離職票」や「高年齢継続給付」が見当たりません。
社会保険届出書作成プログラムは複数の従業員の届出データを一括作成できる点で便利ですが、届出様式の種類は限定的です。雇用保険に関しては、主に「資格取得届」と「資格喪失届」しかありませんので、離職票や高年齢雇用継続給付などの手続きを行う場合は、e-Gov電子申請から申請する必要があります。
社会保険届出書作成プログラムとe-Gov電子申請はどのように使い分ければ良いですか?
社会保険届出書作成プログラムは、複数の従業員のデータをまとめて処理する「連記式」のデータ作成が可能ですが、e-Gov電子申請は「単記式」といって、従業員ごとにそれぞれ届出データを作成する必要があります。算定基礎届などは前者で一括して、個々の保険給付の申請は後者で行うのが一般的です。
雇用保険の電子申請(離職票の内容確認署名等)で必要となる本人の署名は省略できますか?
電子申請を行う前に、あらかじめ記載内容に関する本人用の「確認書」や「同意書」を書面で取得しておいてください。それを PDF等の画像データにして添付(アップロード)することで、電子申請上での本人署名を省略することが可能になります。
電子申請の処理完了後に発行された「離職票」はどのように離職者に交付すれば良いですか?
申請完了後、e-Govの公文書取得機能から離職票(A4サイズ)をダウンロードできます。交付方法は「印刷して郵送または手渡し」「PDFデータとして送付」のほか、本人がマイナポータルを利用していれば直接取得してもらうことも可能です。ただし、トラブル防止のためには印刷して郵送するのが最も確実です。
従業員を初めて雇用します。「雇用保険適用事業設置届」は電子申請できますか?
申請可能ですが、「雇用保険適用事業設置届」に関しては、GビズIDプライムを使っても電子証明書(有料)の省略が認められていません。たとえば最初の設置届だけはハローワークの窓口へ書類を持参するか、あるいは郵送で提出し、その後の資格取得届からe-Gov電子申請へ移行するという方法も可能です。
60歳到達時の賃金登録の手続きでエラーになります。
e-Gov電子申請にて申請様式の選択を間違えている可能性があります。現時点で定年再雇用前(まだ賃金が低下していない段階)であれば、「60歳到達時等賃金証明書」のみを提出する様式を選んでください。「給付金の同時申請」を行う様式を選択していると、賃金低下後の差額入力欄等でエラーの原因になります。
複数ある営業所の雇用保険手続きを、本社で一括管理できますか?
各営業所の「雇用保険適用事業所非該当届」を届出し、承認されれば本社一括での手続きが可能になります。その際、各支店の事業規模や独立性の低さが分かるリスト等の提示を求められることがあります。最終的な判断は行政側が行うため、事前に管轄のハローワークでご確認することをおすすめします。
パソコンの操作が苦手で自力での導入が不安です。訪問対応はありますか?
本制度では、電子申請未実施の事業所様を対象に、私たちアドバイザーがお客様を直接往訪して導入・運用の初期レクチャーを行う無料のアドバイザー派遣サービスを行っています。ご希望の場合は、ハローワーク札幌東雇用保険適用課にお電話いただくか、当サイトの問い合わせフォームよりご連絡ください。
2026年も相談コーナー頑張ります
過去のご相談の中で、特に多かったものを10個厳選してご紹介しましたが、変わり種としてはハローワークのインターネット求人票のご相談や、会社から持参したノートパソコンの画面を当方に向け「上の空欄から入力すべき内容を順番に言え!」などというものもありました。
ちなみにインターネット求人票のご相談のお客様は事業所第一部門へご案内しました。また後者は電子申請の相談に名を借りて無料で書類作成を代行させようという魂胆ですが、お取引の無い会社の届出に対し、当方は責任を負う立場にはありませんので、お引き取り頂きました。
さて、色々と勉強させて頂いた2025年度でしたが、2026年はこれからどんなご相談が寄せられるのか楽しみです。当方にとってもまたとない学びと成長の機会ですので、ぜひお気軽にハローワーク札幌東にお越しください。相談コーナーは毎週木曜日9時~17時15分です。


