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失業保険の不正受給をそそのかす悪質業者にご注意ください

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失業保険の不正受給をそそのかす悪質業者にご注意ください

社会保険労務士の山口です。実は先日、支部の理事会である問題が提起されました。それは、無資格者や悪質業者による違法な人事サービスによって、善良な事業主や労働者の方々が被害に遭うケースが増えているということです。

今回は、その中でも特に深刻化している「失業保険の不正受給をそそのかす詐欺」について、専門家の立場から警鐘を鳴らしたいと思います。

急増する悪質業者によるトラブル

2025年12月3日に独立行政法人国民生活センターが公表した記事によると、雇用保険制度の失業等給付のうち「基本手当(いわゆる失業保険)の受給額や受給期間を増やす方法を指南します!」などと謳っている悪質業者によるトラブルが増加しているとのことです。

これら悪質業者の手口は実に巧妙かつ悪質です。失業保険を有利にもらえると失業者にアプローチし、申請サポート(アドバイス等)を行う代わりに手数料を取ったり、うつ病と診断されるためのマニュアルを送りつけてきたりします。

さらに悪質なのは、ユーザーが不正受給の可能性を危惧して解約を申し入れても応じない、あるいは高額な解約金を要求するといったトラブルまで発生しているという点です。

失業保険のキホン知ってますか?

こうした悪質業者に騙されないためには、まず失業保険制度の正しい仕組みを理解することが重要です。

失業保険は、失業中の生活あるいは求職活動に要する費用などについて、雇用保険から経済的保障を行うことで、失業者の早期再就職をサポートするものです。そのため失業保険を受給するには、就労の意思があり労働できる能力があることが必須要件となっています。

もらえる失業保険の金額は、在職中の給与と失業時の年齢に応じて算定された基本手当日額が、失業認定日ごとに支給されます(実務上では日払いではなく、4週間ごとに失業認定し、その期間のうち失業日と認定された日数分がまとめて支給されます)。

基本手当日額には年齢層に応じた上限額が決まっており、令和7年8月から7,255円〜8,870円の範囲で4段階となっています。

支給期間には明確な上限がある

重要なのは再就職までずっと基本手当日額が支給されるわけではないという点です。離職理由と雇用保険の加入期間に応じて、基本手当日額の支給上限が決められており、自己都合退職の場合は90日〜150日となっています。

例えば雇用保険の加入期間が10年未満の場合は90日分が上限なので、予め転職活動のための資金を貯えていた場合は別として、3ヶ月以内に再就職先する必要があります。「当面は失業保険をもらってのんびり暮らす」といったことにはなりません。

失業保険は退職後のリフレッシュを目的とした有給休暇手当などではありません。日本国民には勤労の義務があり、あくまでも失業した場合に早期再就職を可能にするための保険(社会保険制度)であることを忘れてはならないのです。

悪質業者が狙う不正のカラクリ

悪質業者が主にアピールしているのは、前述の所定給付日数を延長する方法です。

前述の90日〜150日はあくまでも自己都合退職による場合ですが、会社都合その他やむを得ない事情で失業せざるを得なくなった場合、すなわち特定受給資格者や特定理由離職者に該当すると、所定給付日数が90〜360日の範囲で大幅に延長されます。

特定受給資格者は、勤務先の倒産や整理解雇、経営不振による賃金の大幅低下、違法な労働を強要されたことなどによって離職した場合が該当しますが、これについてはハローワークでも比較的エビデンスを取得しやすいため、不正は容易ではありません。

一方の特定理由離職者の該当要件は次のとおりとなっています。

  • 心身の障害、疾病、負傷、視力・聴力の減退等によるもの
  • 妊娠、出産、育児等による離職で、受給期間延長措置を受けた場合
  • 親族の死亡や疾病等による家庭事情の急変(扶養・看護の必要性)
  • 配偶者や扶養親族との別居生活の継続が困難な場合
  • 結婚、育児に伴う保育所利用、交通機関の廃止等による通勤不可能・困難化

悪質業者がうつ病の偽装を教唆したりといった手口から推察するに、この特定理由離職者を装って失業保険を不正に長く受給させようという魂胆なのではないかと想像します。

不正受給のペナルティは厳しい!

雇用保険は原則として保険給付を受けようとする者の自己申告によって手続きが行われるため、社会保険や労災保険に比べて不正行為が行われやすいという特徴があります。そこで雇用保険法では、不正受給を行った者に対し、厳しいペナルティを科しています。

まず不正が発覚した時点で、以後の保険給付は行われなくなります。また不正に受給した額の全額を返還しなければならず、さらに不正受給の倍額の納付を命令されます。結果的に不正受給の3倍の額を支払うことになるため、これを「3倍返し」と呼んでいます。

会社を巻き込む不正にも要注意

なお退職予定者が離職後の失業保険を有利に受給しようとして、退職証明書を作成する際に、離職事由を特定受給資格者や特定理由離職者にしてもらうよう、勤務先にお願いしようとする事例が散見されますが、これも立派な不正受給です。

そもそも離職事由は離職の実態に応じて所轄の公共職業安定所が判定するものであり、事業主や従業員が指定できるものではありません。

もしこれによって失業保険の不正受給が発覚すると、本人と連帯して勤務先も不正受給した失業手当およびその倍額の納付金を支払う義務を負うので要注意です。

悪質業者に騙されないために

私は人事部勤務時代から胡散臭い「自称人事コンサルタント」を嫌というほど見てきました。複式簿記や金融理論を知らなければ入門すら適わない財務会計分野と違い、人事労務の領域は敷居が低いと思われているのか、雑多な人間が気軽に流入してきます。

そんな玉石混交の人事コンサルタントの真贋を見極める指標が社労士資格です。もっとも個人的経験からいえば、社労士になったからと言ってすぐに人事コンサルティングができるとは限りません。ただし人事コンサルタントに社労士資格は必須だと思っています。

それは企業の人事制度は労働法令や社会保険制度の上に自社独自の人事システムを構築するのがセオリーだからです。しかし人事労務管理の原理原則を飛び越え、フリーハンドでいい加減な人事を語る似非コンサルタントのあまりの多さに閉口させられます。

最低限の確認ポイント

ともあれ胡散臭い業者に引っかからないためには、無資格者に失業保険の相談をするのは絶対に避けるべきです。最低条件として社労士資格者、さらにハローワークや都道府県労働局といった、労働行政出身のバックボーンを有する専門家なら間違いないでしょう。

社労士は儲かると思われているのか、社労士を誤認させるような紛らわしい資格を名乗ったり、無資格なのに社労士業務を請け負う行為が横行していますが、これらは全て違法行為であり、1年以下の拘禁刑あるいは100万円以下の罰金という厳しい刑罰が科されます。

現在、全国社会保険労務士会連合会では無資格者による違法行為が頻発していることに鑑み、クローラーを使って違法事業者のサイトの摘発を行っています。当方も北海道社労士会の支部理事ですので、違法な業者を見つけたらお手数ですがご一報頂けると幸いです。

最後に

失業保険は不正が行われやすいのは業界では周知の事実です。一般の方々はそのことをよく認識した上で、くれぐれもうまい話に安易に乗らないようにご注意ください。

本当に困ったときは、信頼できる社労士や、ハローワークの窓口(事務官)に相談することをお勧めします。正しい知識と正しい手続きで、適切な支援を受けることが、結果的に最も確実で安全な道なのです。


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