
新卒採用には特有のルールがある
新卒採用には、大卒者(短大卒と専門卒を含む)と高卒者それぞれに特有の就活ルールが存在します。大卒者の場合は法的拘束力はないものの、政府が経済団体に遵守を要請しているガイドライン(経団連が放棄したかつての就活ルール)に従う必要があります。
一方、高卒採用については職業安定法にもとづき、より厳格なルールが設けられています。一部の企業による学生の青田買いを防ぐという目的は大卒者の就活ルールと同じですが、高校生は社会人経験が乏しいことから、法令による強い保護が必要だと考えられています。
大卒採用のスケジュールと注意点
政府のガイドライン(就職・採用活動に関する要諦)では、適切な大卒採用スケジュールの目安として以下のルールが設定されています。
- 3月1日~求人票公開・会社説明会解禁
- 6月1日~応募・採用選考解禁
- 10月1日~内定解禁
10月1日前に「内々定」と称して採用の意向を伝える企業が少なくありませんが、他社へ就職させないように、学生から就活を終了する旨の誓約書を提出させる「オワハラ」が問題になっています。オワハラは憲法の職業選択の自由を侵害する行為になりますのでご注意ください。
内定から入社までの期間は学生にとって不安な時期です。最近は内定の前倒しによって、入社までの期間が長期化していますので、Web教材を活用した内定者研修やオンライン交流会、OB・OGとの食事会など、定期的なフォローアップの場を設けることが大切です。
高卒採用は注意すべき事項が多い
比較的自由に募集・応募ができる大卒採用とは異なり、高卒採用の場合、企業は必ずハローワークを経由して求人票を送付しなければなりません。また就活生の側でも、選考開始から一定の時期が経過するまで、複数の企業を同時に応募することはできません。
- 6月1日~ハローワークへの求人票受付開始
- 7月1日~校内(進路指導部)で求人票掲示
- 9月5日~学校から各企業へ生徒の推薦開始
- 9月16日~選考および内定解禁
高卒者を内定した時は、すみやかにハローワークへ報告する義務があること、予定数を採用するまで企業の都合で求人を取り下げられないことなども要注意です。オンライン説明会に対応できていない高校が大部分なので、往訪によるリアル説明会の開催も検討すべきでしょう。
新卒採用は学祭イベントではない
近年、リクルーター制度を悪用したいかがわしい犯罪が増えています。確かにリクルーター制度は、事業部門のOBOGから仕事にまつわる体験談を直接聞くことができる点で有益はありますが、会社説明会に学祭イベントや大学サークルのノリで臨むのはあまりにも軽薄です。
多くの人にとって、就活は大きなライフイベントです。採用は労務に比べて敷居が低いと感じている担当者も少なくありませんが、採用活動にも労働契約法、職業安定法、労働施策総合推進法など、多くの法令が関係しますので、人事部がしっかりコントロールしましょう。
リスク管理と戦略的リクルート
キラキラワードと奇抜なイベントで就活生の誘引に成功しても、入社後の受け入れ体制がずさんだと、採用ミスマッチによる早期離職を招きます。今どきの就活生はSNSや口コミサイトで情報収集するのみならず、同世代に対して積極的に情報共有する傾向にあります。
採用活動ばかりに気を取られ、人事マネジメントの質向上を疎かにすると、いずれネガティブ・キャンペーンとなって自社に跳ね返ってきます。悪い意味でのブランディングによって翌期以後の新卒採用を自ら難化させてしまい、最悪の場合は中堅層の離職を招くかもしれません。
ところで当社なら、採用→教育→評価→処遇といった一連の人事マネジメントシステムの整備を含め、一気通貫で採用マーケティング&職場ブランディングのお手伝いができます。もし新卒採用でお悩みの経営者がいらしゃったら、ぜひお気軽にお声がけくださいませ。
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