
令和8年度の雇用・労働関係助成金
社会保険労務士の山口です。ゴールデンウイークがあっという間に終わり、ようやく仕事の感覚が戻ってきた…という方も多いでしょう。ということで今回は、令和8年度の雇用・労働分野の助成金を活用した人事制度のアップデートに関するご案内です。
さて皆さんは助成金と聞いて何をイメージするでしょうか?返済不要の経営資金?いえ違います。助成金は国の労働施策に沿った雇用制度を実施する場合に、国が資金の一部を補助する制度です。つまり人事制度をアップデートする原動力となるものです。
そんな令和8年度の助成金は、主に以下の4つの柱で構成されています。
- 「雇入れ・正社員化」で人材を確保する:非正規雇用を正社員へ転換するキャリアアップ助成金や、就職困難者を雇い入れる特定求職者雇用開発助成金など。
- 「人材開発・リスキリング」で生産性を高める:従業員のスキルアップを目指す人材開発支援助成金では、高度デジタル人材の育成やリスキリングを支援します。
- 「仕事と家庭の両立」で離職を防ぐ:両立支援等助成金では、男性の育児休業取得や介護離職の防止、女性特有の健康課題への対応まで幅広くカバーされます。
- 「職場環境・労働条件」を改善する:賃金引上げや生産性向上を目指す業務改善助成金、働き方改革を推進する働き方改革推進支援助成金などが主となります。
助成金をどのように活用すべきか?
冒頭でも述べましたが、助成金の目的は、単に事業資金を獲得することではなく、自社の人事制度を時代にあわせて変革することを経済的に支援することです。そして人事制度の変革を実現することで、事業者には次のメリットが得られます。
- 人事制度のアップデート:助成金申請を前提として、就業規則を始めとする人事諸規程(賃金規程、人事評価規程、退職金規程等)の整備や適切な人事管理(勤怠管理やキャリアパス)体制を構築することで、人事マネジメントの質を改善できます。
- 信用力=ブランドの向上:助成金の申請過程において労務コンプライアンスを見直すことで、「未払い残業代」や「労働トラブル」のリスクを低減できます。公的助成金を受けていることは、「国が認めたクリーンな経営」という信頼の証にもなります。
- 中小企業の採用力の強化:人事制度がチープなので有能な人材を採用できない…という中小企業は少なくありません。しかし雇用・労働分野の助成金の多くは、中小事業主を優遇しており、求職者にとって魅力的な職場を整備することが可能となります。
歯科クリニックが助成金を活用するメリット
当事務所/当社は、今春から満を持していよいよ歯科クリニックの経営コンサルティングに本格的に参入します。その布石といったらちょっと大げさですが、ここで歯科クリニックが雇用・労働分野の助成金を活用するメリットについて簡単に解説しておきます。
- 総額人件費コントロール:有期雇用のスタッフを正社員に転換する「キャリアアップ助成金(正社員化コース)」では、1人あたり最大80万円が支給されます。これを原資に賞与や基本給を底上げすることで、歯科衛生士や医事職員の待遇改善が可能です。
- 出産育児による離職防止:医療業界は看護師をはじめとする女性スタッフが多い業界ですが、歯科診療においても歯科衛生士や歯科助手のほとんどが女性ですので、「両立支援等助成金」で育休復帰支援体制を整え、ベテランスタッフの離職を防ぎます。
- 設備投資で生産性を向上:「働き方改革推進支援助成金」や「業務改善助成金」の活用で、勤怠管理システム、患者予約システム、さらには診療用チェアーや歯科用CAD/CAM装置などの機器導入費用が助成され、コスト負担を抑えつつ診療効率を向上できます。
歯科に限らず医療業界は典型的な労働集約型産業であり、医療サービスの大部分が対面によって提供されます。さらに医業収益に占める人件費は5~6割と他の事業に比べて圧倒的に高いため、人事管理の巧拙こそ医療経営の生命線であるといっても過言ではありません。
助成金の申請代行に当事務所を選ぶべき理由
我々の強みは、助成金の申請手続きを代行できるのみならず、助成金申請の前提となる労務、採用、教育、評価、処遇等の人事制度全般のアップデートを得意としていることです。
- 社労士の専門知識×人事部での実務経験=具体的で実行性あるノウハウ:私は開業前に一般企業や医療法人の人事部門において20年以上にわたり人事労務の実務に携わってまいりました。単に助成金の申請書類を作成するだけでなく、「助成金の効果を最大化するために、現在の人事制度をどう改良すべきか?」という、現場の実務に即したトータルでのコンサルティングを得意としております。
- オンラインに強く全国どこでもスピーディかつリーズナブルに対応可能:当事務所は札幌が拠点ですが、オンラインに強く日本全国どこでも対応可能です。また当事務所は全国社会保険労務士会連合会のSRPⅡ認証を取得しており、マイナンバーや特定個人情報のセキュリティも万全、さらに私は2025年より北海道労働局の電子申請アドバイザーも務めており、助成金の電子申請もスムーズです。
「社労士と提携しています!」は違法かも…
便利で魅力的な雇用・労働分野の助成金ですが、実は社労士の懲戒処分で常に上位にランクインするのも助成金申請を巡る事故や不正です。また社労士に依頼しなくても、事業者が自ら申請したり、あるいは無資格者による違法行為により、処罰される例も後を絶ちません。
最後に、雇用・労働分野の助成金の活用を検討するにあたり、事業者の皆様にぜひ知っておいて頂きたいこと、あるいは注意して頂きたいことについて、申し添えさせて頂きます。
- 助成金は制度融資ではない:助成金には厳格な審査がありますが、審査をパスして助成金をもらうことがゴールなのではなく、助成金を活用して人事管理の質を改善することこそ本制度の趣旨です。したがって支給決定後も官庁への報告などが必要です。
- 不正受給には厳しい罰則が:「審査さえパスすればいい…」といった安易な考えで、出勤簿や賃金台帳を改ざんすると、後日に受給額の返還と違約金の納付命令を受け、事業者名を公表され、以後5年間に渡って助成金の利用を禁止されることになります。
- 無資格者にご注意ください:雇用・労働関係助成金の申請代行を業として行えるのは社会保険労務士のみです。無資格者がこれを行うと1年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金刑に処せられます。無資格者と知って依頼した者も同罪なのでご注意を。
特に注意すべきは「社労士と提携しています!」を謳い文句に、自社サービスと助成金をセットで売り込んでくる事業者です。社労士は法令により社労士法人や社労士事務所以外の者から業務を請け負うことは禁止されており、この類の事業者も違法である可能性が高いです。

私たちは人事業界の家庭医です。お気軽にご相談ください。


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