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【2027年1月1日~】標準報酬月額改定の特例措置のポイントを解説

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【2027年1月1日~】標準報酬月額改定の特例措置のポイントを解説

来年1月から特例措置が実施されます

2027年1月1日より、社会保険料の標準報酬月額改定にかかる特例措置が実施されます。この特例措置の主な特徴は、従来の標準報酬月額改定(随時改定、産休・育休終了時改定)に比べて、改定の要件が格段に緩和されており、ご自身の療養や育児・介護と仕事の両立をより支援する内容となっている点です。

なお社会保険料の標準報酬月額改定を苦手とする事務担当者は少なくありません。そこで本記事では原則的な標準報酬月額の改定や随時改定等の例外的取り扱いなどの原理原則と、来年に実施される特例措置との違いなどを比較しつつ、できるだけわかりやすく解説してまいります。

従来の標準報酬月額改定のおさらい

原則ルール:定時決定(算定基礎届)

社会保険料は原則として被保険者資格を取得した時に標準報酬月額を決定し、決定された標準報酬月額は次年度の8月末まで適用されます(取得時決定)。ただし次回の定時決定までの間に、給与改定等が行われて標準報酬月額との乖離が生じることが一般的ですので、1年に一度、標準報酬月額を見直すルール(定時決定)となっています。

  • 概要・目的:実際の報酬額と標準報酬月額に大きな差が生じないよう、年に1回定期的に見直す制度です。
  • 対象者:原則として7月1日現在に使用されている全被保険者が対象となります(ただし、6月1日〜7月1日の資格取得者や、7〜9月に随時改定等が行われる/行われるべき者を除きます)。
  • 算定方法:4月・5月・6月の3ヶ月間に受けた報酬の平均額(支払基礎日数が17日未満の月を除く)を基礎として標準報酬月額を決定します。
  • 適用期間:その年の9月から翌年8月までの各月に適用されます。

例外その1:随時改定(月額変更届)

標準報酬月額は定期的に見直すルール(定時決定)になっていますが、人事異動等により給与が大幅に改定された場合に、次回の定時決定まで現在の標準報酬月額を適用し続けることは不合理です。そこで定時決定の例外的取り扱いとして随時改定という特別ルールが設けられています。

  • 概要・目的:昇給・降給等によって報酬月額に著しい変動が生じた場合に、次の定時決定を待たずに標準報酬月額を改定する制度です。
  • 主な要件(以下のすべてを満たす必要があります):
    1. 昇給・降給等による固定的賃金の変動があること。
    2. 変動月以後継続した3ヶ月間の報酬支払基礎日数がすべて17日(短時間労働者は11日)以上であること。
    3. 3ヶ月間の報酬平均による標準報酬月額等級と、現在の等級との間に2等級以上の差が生じること。
  • 改定時期:変動を生じた月から3ヶ月後に標準報酬月額が改定されます。

例外その2:産休終了時・育休終了時の改定

産休や育休中は社会保険料が免除されますが、これらの休業の終了後は原則として休業開始前の標準報酬月額が適用されます。しかし産育休終了後に子の養育のため時短勤務で働くケースが少なくありませんので、社会保険料の負担軽減のために随時改定の要件を緩和した特例が設けられています。

  • 概要・目的:産前産後休業や育児休業等を終了して職場復帰した際、時短勤務等で報酬が低下した場合に、被保険者の申出により標準報酬月額を改定して保険料負担を軽減する制度です。
  • 主な特徴・要件:
    • 休業終了後に職場復帰し、子を養育する被保険者が事業主を経由して申し出ることにより行われます。
    • 固定的賃金の変動がなくても対象となり、従前等級と1等級の差であっても改定可能です。
    • 報酬低下を確認する3ヶ月間の全ての月が支払基礎日数17日(短時間労働者は11日)以上である必要はありません。
  • 算定方法・改定時期:休業終了日の翌日以降3ヶ月間の報酬平均(支払基礎日数17日未満の月を除く)で算定し、休業終了日の翌日から起算して2ヶ月を経過した日の属する月の翌月(復職した月の3ヶ月後)から改定されます。

療養・育児・介護時の特例措置とは?

2027年1月1日に実施される療養・育児・介護時の特例措置(標準報酬月額改定の特例措置)の最大の特徴は、給与が低下しその状態が3ヶ月以上継続することが見込まれる場合に、給与が下がった月の翌月から標準報酬月額が改定される点です。

  • 概要・目的:療養、育児、介護と仕事の両立のために就労調整(時短勤務や残業抑制等)を行い給与が急減した場合に、通常の随時改定(3ヶ月間の実績確認)を待たず、より速やかに標準報酬月額を改定して両立を支援する保険者算定の特例措置です。
  • 実施時期:2027年(令和9年)1月1日から適用されます。
  • 主な要件:
    1. 本人・家族の療養、小学校就学前の子の育児、家族の介護のための就労調整(時短勤務等)が行われていること。
    2. 急減後の報酬に基づく標準報酬月額が、従前より2等級以上低下し、かつその状態が3ヶ月以上続くことが予め見込まれること。
    3. 固定的賃金の変動の有無は問いません。
    4. 将来の年金給付額や傷病手当金・出産手当金への影響を理解した上で、被保険者本人が書面で同意していること。
  • 改定時期:3ヶ月間の経過を待たず、給与が低下した月の報酬額を基礎として、その翌月から改定されます。なお時短勤務終了等で報酬が2等級以上増えた場合も、同様に増えた月の翌月から標準報酬月額が改定されます。

社保は給付と納付をセットで把握

随時改定や産育休終了時改定は定時決定のサイクルよりも早い段階で標準報酬月額を改定できる特例ですが、それでも標準報酬月額が改定されるのは給与が下がった月から3ヶ月後です。しかし今回の特例措置を活用することで、給与改定と標準報酬月額との乖離期間を極小化することが可能になります。

超高齢社会・少子化社会において、療養・育児・介護と仕事の両立は、事業者が避けて通れない人事課題です。人事労務の実務担当者は、社会保険制度の各種給付(出産手当金や傷病手当金、育児・介護給付金等)と併行して、社会保険料の免除や改定などの制度もしっかり理解しておく必要があります。


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