はじめに
女性活躍推進法への対応や、自社のダイバーシティ経営を推進するにあたって、「何から手をつければいいのかわからない」「自社の課題がどこにあるのか客観的に知りたい」といった悩みを抱える企業は少なくありません。
こうした課題を解決し、実効性のある取組を支援するために国が実施しているのが、女性活躍推進アドバイザーによるコンサルティング事業です。もちろん当社代表の山口(社会保険労務士)も、女性活躍推進アドバイザー(令和8年度)のひとりです。
女性活躍推進アドバイザーとは?
アドバイザー制度の概要と目的
女性活躍推進アドバイザー(以下、アドバイザー)とは、厚生労働省の委託事業「令和8年度民間企業における女性活躍促進事業」の一環として、女性活躍推進に取り組もうとする企業(特に中小企業)を対象に、個別のアドバイザリーを行う専門家であり、コンサルティング経験の豊富な社会保険労務士と中小企業診断士によって構成されています。
本制度の目的は、女性活躍推進法にもとづき、自社の雇用管理状況に即した課題の把握、課題に対応した取組の検討、設定した目標達成に向けた具体的な手順の整理などを支援することです。単なる法律の解説にとどまらず、男女間賃金差異の要因分析や女性管理職比率の向上など、依頼元の行動変容につながる専門的支援を行うことを目指しています。
令和8年度の事業内容(予定)
令和8年度の事業は、令和8年6月下旬頃から令和9年3月まで実施される予定です。
支援の対象は、業種や規模を問わず全国の企業が募集されており、特に常時雇用する労働者が101人以上300人以下、あるいは100人以下の事業主で、一般事業主行動計画の策定を検討している企業への柔軟な支援が行われます。
本年度は900社以上へのコンサルティングの提供が予定されており、全国各地で選任された女性活躍推進アドバイザー達による支援を受けた企業の80%以上が「課題解決の参考になった」と回答することを成果目標として掲げています。
女性活躍アドバイザーの支援メニュー
アドバイザーは、各企業が抱える課題に応じて、制度の理解から実務対応まで多岐にわたるメニューを提供します。
一般事業主行動計画の策定支援
女性活躍推進の基盤となる一般事業主行動計画について、その策定や改定を強力にサポートします。具体的には、現状の人材構成や課題を客観的に分析した上で、企業の規模や業種特性に応じた無理のない目標設定や取組内容の整理を支援し、実行可能性の高い計画へとブラッシュアップします。
女性の活躍に関する情報公開の支援
令和8年4月から義務化の対象が拡大された「男女間賃金差異」や「女性管理職比率」の算出と公表を支援します。特に複雑な男女間賃金差異については、その公表義務の考え方や算出方法を丁寧に説明し、結果にもとづいた要因分析や、公表時の『説明欄(注釈・説明欄)』をどのように活用して自社の実情を伝えるかといった点について具体的な助言を行います。
上記2つにかかる公的ツールの活用助言
支援の実効性を高めるために、国が提供する各種公的ツールの使い方も指導します。
- 女性の活躍推進企業データベース:概要や登録方法、公表すべき情報の整理、情報の更新手続きなどの支援を行います。
- 男女間賃金差異分析ツール:Excelベースの分析ツールを活用した、自社の差異要因の簡易的な確認方法や、詳細な要因分析レポートの作成方法を助言します。
えるぼし認定およびプラチナえるぼし認定の取得支援
優良企業の証である「えるぼし」や「プラチナえるぼし」、さらに新設された「えるぼしプラス」などの認定取得に向けた支援を行います。認定基準や評価項目の解説、自社の現状と要件とのギャップ分析、申請に係る諸手続きや実務上の留意点について専門的なアドバイスを受けることができます。
女性活躍推進アドバイザーのご利用方法
アドバイザーによるコンサルティングは、原則として1企業につき3回まで(最大4回まで)無料で受けることが可能です。
申し込み方法
利用を希望する企業は、事務局である株式会社三菱総合研究所の専用フォーム(本記事最後にある「関連サイト・令和8年度民間企業における女性活躍推進事業(厚生労働省)」リンクからアクセス)から申し込みを行うことができます。
事務局は、企業の地域、規模、課題、およびアドバイザーの専門性などを考慮して最適なマッチングを行い、アドバイザーへ面談を依頼します。マッチング完了後、担当アドバイザーから企業へ直接連絡が入り、面談の日程調整が行われます。
アドバイザリーの進め方
アドバイザーによる助言は、以下のステップで進められます。
- ヒアリング(現状の把握):初回の面談では、支援の方向性を共有します。企業の現状や人材課題(採用・定着など)、行動計画や制度対応の状況を整理し、全3回のコンサルティングで何を目指すかという「ゴール」を明確にします。
- サーベイランス(課題の設定):2回目の面談では、前回提示された「宿題」の進捗を確認し、具体的な行動計画案や取組内容の検討を行います。課題に応じた具体的な助言や他社事例の提示、データベース登録に向けた準備事項の確認など、実行に向けたフォローアップが行われます。
- レビュー(結果の評価):3回目(最終回)の面談では、取組内容の修正や最終的なブラッシュアップを行います。データベースへの登録状況や情報公表内容を確認し、一連のコンサルティングを通じた成果を振り返るとともに、今後の継続的な取組に向けた課題について助言を行います。
ご利用時の注意事項
女性活躍推進アドバイザー事業を円滑に利用するために、以下の点に留意してください。
- オンライン会議が原則:支援の形式は、Zoom等を用いたオンライン会議、または個別企業訪問のいずれかを選択できますが、効率的な実施のためにオンラインが活用されるケースが多くなっています。なおメールや電話のみによるご相談は対象外です。
- アドバイザーの指定不可:アドバイザーと企業のマッチングは事務局が中立的な立場で行うため、企業側から特定のアドバイザーを指名したり、アドバイザー側から企業を指定したりすることはできません。
- 既存顧客への支援不可:アドバイザーが既に本業で顧問を務めている企業や、顧客となっている企業に対して本事業としての支援を提供することはできません。これは謝金の重複受領を防ぐための措置です。
- アドバイザーができないこと:本事業のアドバイザーは、あくまで女性活躍推進に係る助言を行う立場です。そのため女性活躍に関係のない一般的な人事労務のご相談などは支援の範囲外となります。また「えるぼし認定」等の審査権もありません。
専門家であるアドバイザーの知見を最大限に活用し、令和8年度の貴社の女性活躍を確実な一歩へとつなげてください。


